+Black Blood.

「なぁ、何処行くんだ?っつか此処どんだけ広いんだ?」


「もうすぐ分かりますよ」



広いロビーを裸足で歩く。
絨毯が長いロビー中に敷かれていてやはり高級感漂う雰囲気だ。



「分かる・・・・?」


ロビーを渡り切った直ぐ左の角で曲がる。


「このエレベーターに乗って、最上階です」



すぐ近くにエレベーターがあり、それに乗り込む。


(また薬とか仕掛けてねぇよな・・・)



メイドが最上階のボタンを押した。


軽い浮遊感に襲われ、そのまま音を立てずにエレベーターは昇り始めた。



少し経って、高い音が鳴り、着いた事を示した。


「降りてください。


そして、そのまま正面の部屋にお入り下さい」


「ん?お前は来ねぇのか」


「此処ではどうしたって逃げれませんのでご安心を」


「・・・・・・・・・・ハイハイ」

(安心じゃねぇよ)


ガタン、とエレベーターが閉まるのを見て、無花果は正面の部屋まで歩く。



(逃げてやるよこんな不気味な仕事)


ガチャ・・・・・



意外に重いその扉を押し開けた。







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