+Black Blood.
「此処の刑務所はな、相部屋なんだよ。
覚えとけ。」
「・・・・・・・相部屋?」
聞き慣れないその言葉に、青年は眉間に皺を寄せる。
「その構え、解けよ。お前じゃ俺に勝てねぇよ。」
「ッ・・・・・・!!!!」
青年は感じた。
空気の流れ。
暗闇の中を、大きい何かが動いて・・・・・・
「ぐっ・・・・・・・・!!!!!」
トン、と負傷している脇腹に触れた。
「凄い傷だなあ。ナイフで抉られた様な・・・・・。」
「クソッ!!!!何で見えるんだ!!」
触れられた傷を庇う様に蹲る。
「ぎっ・・・・・・・」
ピト、とその何かの指が青年の頬に触れた。
「顔も傷だらけ・・・・・・取調べのオッサンか」
「触んな!!!!!」
思い切り、その指から離れるように仰け反った。
「んー。運動神経は良いんじゃねぇか。
まだ目が慣れてないか?」