+Black Blood.
目の前の誰かが、青年に聞く。



「お前、名前は?」


「そんなもの無い。俺から離れろ!」


「名前、無いのか?」


「知るか!まず、お前は何っ・・・・」


「じゃあ、俺がつけてやるよ、名前。」


「オイッ!!聞いてんのか?!」


「囚人ナンバー9号・・・・・・9・・・・・


九・・・・・・いちじく・・





無花果。」



「・・・・・・・・・・・は?イチ・・・・何て・・・」


「いちじく。九、って書いてイチジクって呼んだりする。」


「・・・・・・何だそれ・・?」


「知らねぇの?無花果って食い物。」


「多分しらねぇ。」



無花果、と呼ばれた9号は、暗闇の方を見た。


・・・・・・・大分目が慣れてきたな・・・、と思い、目を凝らした。



何となくのシルエットは見えてきた。



「じゃあ、こっちが聞く。お前は誰だ!」


「俺は、この牢屋の先住民。


囚人ナンバー0号。
ま、他の奴らには零って呼ばれてる。」




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