ピンクの落書き

颯side




俺は1年のとき全く学校に来ていなかった。


学校なんて意味ない。



てか、命についての授業を押しつけてくる学校が嫌いだった。


命について考えろなんて言う先生がいるが、そんなこと俺にはできなかった。




俺が殺した。


俺が母さんを殺したんだ…。



本当は、1番母さんが大好きだった。




なのに、あのころの俺は酷いことを言った。


「死んじゃえ」なんて…




今、涙を流したって意味ないのに。


母さんは帰ってこないのに。




なぁ翼?



ずっと俺を、その細くて白い腕で包んでくれる?


俺が学校に行けるようになったのも、翼がいたからだ。



翼に会いたくて。






母親を思って泣いてしまうどうしようもない男だけど…



ずっとずっと俺のとなりにいてほしい。




暗い部屋から見える花火を翼と見ていて、そう強く願う-----。



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