ピンクの落書き



そして、教室を出て行ってしまった。



あんな吠える琉那を初めて見た。


でも、なんで?



「琉那っ!」



給食を置いて、琉那を追いかける。


階段を登っていく琉那の姿を発見し、手を掴んだ。



「追っかけてくんなよっ!!放っといて!」



掴んだ腕を思いっきり振り落された。



歯を食いしばっている琉那。



「放っておけるわけないじゃん!何があったんだよ?」



「んん~……翼ぁ~…」



琉那は、泣き声だと思われる震えた声を出しながら抱きついてきた。



「ごめんねぇ~…」



「大丈夫だから」



抱きしめ返す。



泣いている琉那を支えながら、ふたりで屋上へ行った。


青空の下、並んで座る。




「で、何があったん?」



まだ目に涙を溜めている琉那。


鼻をずびずびと鳴らしている。



「あのね…翔太が……浮気して………そう…」



そう言った瞬間、上を向き、うわーんと子供のように泣き始めた。




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