ピンクの落書き
隣に颯が座る。
「翔太が浮気をしてたってことなのか?」
スポーツドリンクを飲みながらつぶやく。
「うん…。翔太、生徒会とか実行委員とか副部長とかね、偉い役職ばっかりやってるでしょ。アカネもバスケ部の部長だったり、生徒会やってたりで…」
「琉那の知らないところで距離縮めてたってことか…」
「そういうこと…あーあ、付き合って1年経ったのに」
今年の7月で1年、今月で1年2ヶ月。
学校でも貴重なカップルだった。
こんなに長く続いた2人はいなかったから。
「ラブかったのにな。琉那の愛し方はハンパなかったし」
なんで浮気とかできるんだろ…
翔太にはマジがっかりした。
琉那を捨てるなんて許せない。
「なんて言葉を掛けたらいいのか…わからないんだよね」
「他人が口挿まないほうがいいんじゃねーの?琉那と翔太の問題なんだし」
「うん…まぁ…でも、励ますってつーか元気になってもらいたいし…」
「彼氏持ちの翼になんか何が分かるんだ、うるせーって怒鳴られるよ。琉那のことだし…」
「確かに…そーかも。余計なお世話かもね」
今は、琉那の言葉通り放っておく事しかできないのかもしれない。
力になりたい。
でも、本当に余計なお世話になってしまう。
「難しい…」
自然と言葉が出てしまっていた。