ピンクの落書き
「決めるのは琉那だから。俺らは見守るくらいじゃん?できることは」
「うん…」
目の前にあるコンビニに目が留まった。
女の人が荷物を抱えていて、コンビニのドアを開けられないでいるらしかった。
すると、近くを通った若い男の人が静かにドアを開け去って行った。
おぉ、優男…!
「優男~」
颯の口から考えていたことと全く同じ言葉が出た。
びっくりしたけど、嬉しかった。
自然と笑みがこぼれる。
「同じこと思ってた。同じとこ見てたんだね」
「俺ら最強じゃん」
こういう時、好きが積る。
颯に話せば、どんな悩みも解決して笑っていられる。
うちと颯はゆっくり時間をかけて、好きを積んでいこう。
琉那の泣き顔を見て思った。
颯にもあんな泣き顔をさせたくないと。
裏切る愛なんかいらない。
やっぱりこの人しか愛せない。