ピンクの落書き
今日は、ありすとお泊りの約束をしている。
学校からありすの家に直行するから、ありすが迎えに来てくれるらしい。
だから、今日は颯と一緒に帰れない。
「ごめんね。今日バスケできなくて」
校門前で颯に向き直る。
「全然へーき。明日できるだろ」
校門前にキンピカに輝く高級車が停まった。
後部座席の窓が開きありすが顔を出す。
「よぉ!颯!」
最近、一緒に遊んで知り合ったばかりのふたり。
「よぉ。まったくこんな車乗り回して」
「これしかないのー。翼乗って」
「またね。颯」
別れを告げ、軽く唇を交わす。
「まったく…」
とため息をつくありす。
うちは車に乗り込んだ。
手を振りながら、車は発進した。
「まじラブ過ぎて、見ててうぜー!」
「ごめんねーだ!ありすは?大ちゃんは?」
ありすの彼氏の大ちゃん。
幼馴染の彼氏さん。
「ありす様にメロメロで困っちゃう毎日」
肩を上げ深いため息をつくありす。
大好きなくせに。
「へぇ~。この翼が狙っちゃってもいいってゆーんだ!?」
「は!?大ちゃんはありすなのー!」
軽くおなかにグーパンを食らった。
「冗談だよ。颯が泣いちゃうから」
グーパンを返す。
グーパンのやり合いと、彼氏自慢をしながら車はありすの豪邸に到着。