ピンクの落書き
「あそこの店なんだけどね~。…あ」
----別に、このときのありすを恨むわけじゃない。
香水を買いに向かっただけ。
それだけなのだから…。
「ねぇ、あの後ろ姿。颯だよね?よく見えないけど」
ありすが指をさす。
「どこどこ?」
超見た目女の子なピンク色のお店の前に立っている後ろ姿。
横顔がチラッと見え、それは颯だった。
「颯じゃん。後ろから驚かすか?」
「いーね!」
うちの提案にありすが乗って、ふたりでそっとそっと近づこうとした。
…でも。
心臓が止まるかと思った-----。