ピンクの落書き
「笑うなっつーの!!」
背中を補助バックで叩いた。
イテテと言いながらもまだ笑っている。
「いろいろ大変なんだから~」
「あ、そっか。教室の席も前後で近いんだっけ?」
「そうだよ~…」
「なんか超ウケんじゃん!2人とも見た目似てるから、夫婦みたい」
「まったくウケねーわ!フウフ??あほか!」
フウフなんて言葉になぜか体が熱くなる。
「てか、どうやって決まったん?あの席」
「あいうえお順」
あ、名前の順ね。
いつもは後ろに座っている颯が、週1の音楽だけは隣になるということだ。
週1だけの隣の席…。
そう心の中でそっと呟いた。
「でも、颯って1年のときは不登校だったらしーよ」
さらっと言うが、けっこう驚きましたよ。
琉那さん。
あ、だから颯のことあまり知らなかったんだ。
あんなに目立つ人なら知ってるはずだもんね。
「へぇ~。てか琉那よく知ってんな~」
「まーねっ!情報屋なもんでね」
自分で言ったことで、きゃあきゃあ笑い出した。
ガキだな…。
「てーかさっ。翼さぁ、けっこう颯のこと…気になっちゃってません?」
またあの二ヤ顔で迫ってきた。