ピンクの落書き
何もしなくても、時は過ぎる。
またうちは学校をサボって、あまり行っていない。
学校に咲いていた桜は、うちの知らぬ間に緑色に変わっていた。
でも、今日は。
制服の袖に腕を通した。
今日は学校に行きたい。
だって…。
「あ…」
教室に着くと、やっぱりみんなは既に音楽室へ行ってしまっていた。
誰もいない。
つくえに鞄を置くと、筆箱と教科書だけを持ち向かった。
やっぱりいつも思うんだよね。
階段…多いって。
ガラガラっ。
「翼ちゃん。おはよう」
扉をあけると、笑顔でまきちゃんが迎えてくれた。
すでにピアノの椅子に座っている。
「まきちゃん!はよ~」
手を振った。
そして、自分の席。
颯の隣の席へ。
向かうが…
………あれ?
うちの隣の机はぽっかりと空いていた。
颯がいない…。