ピンクの落書き



どうして?



席に着くが、その隣は空いている。




「ねぇ。颯どうしたの?」



前の席に座っているメガネの男子の肩を叩き問いかけた。



そいつは振り返り、メガネをそっと上に上げる。




「颯くんは今日お休みだよ」



「なんで?」



「わからないけど…」



「そっか。サンキュ」





休み…。


こんな日に限って。




「はい。みんな立って。発声練習いきますよ~」



まきちゃんが声をかける。



その声でクラスのみんなは起立をする。



ピアノの音と、みんなの声が混じる教室。


うちは机に体を伏せた。




そして、腕の中からそっと横を見た。


そこには青空が広がっていた…


雲ひとつない。




窓際の席でラッキーだった…。


みんなの声が聞こえる中、青空を見ながら目を閉じた。



何もやることがない。


隣のやつがいないんだから。




そのまま、うちは眠気に誘われ爆睡。




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