ピンクの落書き
颯は、どーせ気付いてないでしょう?
毎週木曜日の3時間目。
必ず学校に来ているんだよ?
この日だけは譲れない。
音楽の授業に、ちゃんと間に合うように登校してさ。
だって…週に1回だけの隣の席なんだもん。
この日だけは…
あいつを横で見られるんだぁ。
でも、今日の隣はいません…。
うちは筆箱からシャーペンを取り出した。
細くて先がとがっているものを厳選し。
そして…颯の机の左下にそっと。
“14才おめでとう”
と刻んだ。