ピンクの落書き




正直、一番好きな行事なんだ。



球技大会。




…よしっ行くかな。



……あ、今日の占い!


見るの忘れてた。



うちは、玄関まで行ったが急いでテレビの前まで戻る。



『今日の占い~♪』



スイッチをつけると、タイミング良く始まった。


コレ、めっちゃ当たるんだから。



毎日欠かさず見ている。


うちが信用しているのは、琉那とまきちゃんとこの占いだけ。



ランキングで星座が発表されていくが、なかなか天秤座が出てこない。


うちは10月生まれの立派な天秤座なんだぞ?



なのに…



『第10位 牡牛座~!』



牡牛座は、今日そんなに良くないみたいだな。



『牡牛座の皆さんは、今日は落ち着いて過ごしましょう。秘密がバレて最悪な日になりそう。ラッキーアイテムは、柑橘系の果物!』



って…なんで牡牛座ばっか見てんの…


自分の運勢よりも、先に牡牛座の運勢を気にしてる。




『今日、最も悪い運勢は……天秤座~!』



ぅえ!


耳に飛び込んできたのは、天秤座という言葉。


うちが最悪…!?



『天秤座の皆さんは、ショックなことを知ってしまい落ち込みそうな日に。イライラしないようにしましょう。ラッキーアイテムは、バスケットボール!』



バスケットボール?


まさに球技大会じゃん!!



『それでは、いってらっしゃ~い!』



そのアナウンサーの声を聞き、テレビを消した。




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