ピンクの落書き
その瞬間、玄関を飛び出し掛けだした。
無性に走りたい気分。
でも…さすがに疲れたわ…。
「おっす!翼っ」
突然、声がし振り返ると、翔太の漕ぐチャリンコの後ろに琉那が座っている。
まったく…朝からラブいわ。
あの琉那の笑顔…
「早くしないと遅刻だぞ~っ!」
颯爽とチャリンコは横を通り過ぎ、琉那はうちの背中を勢いよく叩いて行った。
「いってぇー!てか、琉那はチャリずりーぞ!!」
琉那の背中に叫ぶ。
「翔太の後ろは琉那だけの特等席だもん!翼ー、走れー」
アハハハ~と琉那の笑い声が風に乗ってくる。
朝っぱらからうぜぇ奴だ。
うちは勢い良く、チャリンコを追いかけた。
こんな朝の始まり方も悪くないな。
さてと。
球技大会、翼様旋風巻き起こしますか!