ピンクの落書き
この季節なのに体育館はマジ蒸される。
暑すぎ。
ったく、話なんかいいから早くバスケやらせろよ!
「それでは、怪我せずに楽しくやりましょう。みなさん、優勝目指して頑張りましょう」
地獄の校長の話がやっと終わった。
うちと琉那はバスケだ。
女子は、バスケとバレーに別れクラス別トーナメント。
男子は、サッカーとバスケ。
「それでは解散」
先生のその言葉と共に全校生徒がぞろぞろと散り始めた。
「翼~!」
琉那が走ってきて後ろから抱きついてきた。
「いて。てか、うちら何番目?」
「さぁ?」
バスケをやりたくてうずうずする。
部活でのバスケは嫌いだ。
顧問のじじいが無理なだけ。
バスケは普通に好き。
試合が好きなように出来る。
だから、球技大会が好き。
早く試合をやらせろー!
「翼ちゃん…」
抱きついている琉那とうちの前にやって来たのは萌香。
確か、うちら4組バスケのキャプテンを任されている。
ツインテールが特徴の萌香。
こんな細っこい体でバスケができんのか?
「どした?」
「悪いんだけど。ジャンケン負けちゃって…試合は最後になっちゃって…」