ピンクの落書き
だって…誕生日を迎えた日から今日まで。
1週間と2日。
颯は学校に来てくれていなかった。
うちが学校をさぼったり、遅刻したりしても
颯は毎日学校にいたのに。
ずっと来てくれなかった…
うちは…音楽室でも独りぼっちだった。
その懐かしい颯の姿。
『翼、はよぉ!』
その一言を言ってくれた笑顔でもなく…。
『隣の席だなっ。俺と』
と、優しく言ったくれた温かい笑顔でもなく…。
寂しそう…?
悲しそう…?
切なそう…?
もっと国語の勉強しとけばよかったわぁ…。
颯の気持ちを表現する日本語が見つからない。
その後ろ姿は、右に曲がってしまい見えなくなった。
「靴!」
下駄箱に到着し、琉那がうちの靴まで下駄箱から引っぱり出した。
「履く!校庭レッツGOー!」
琉那の命令に従い校庭に出た。
そこには男子が円陣を組んでいて、女子が目をハートにし見つめていた。
「翔太ぁ~!」
円陣の中の翔太に叫ぶと輝く笑顔を見せた。