ピンクの落書き
「うわ…翔太のばかやろう…琉那を殺す気か…キュン死」
琉那がよろけ体をうちに預けてきた。
「重いんですけど~。ちゃんと立て~。試合始まるよ~」
「おっと琉那ちゃん復活!生き返り!」
すっかり自分で立ち、目を輝かせる琉那。
キャーキャーと耳が壊れるくらいの応援をしている。
翔太率いるB組の試合がキックオフされた。
本当に華麗な足裁き。
どんどんボールはゴールへ運ばれ、翔太はシュートをするが惜しくも外した。
「もっとゴールが大きければいんだよ!もっとゴール広げろ!!」
「逆ギレすんなよ」
翔太のためなら、考えが無茶苦茶だ。
目はサッカーをしているB組のみんなに向かれているが…
うちの頭の中は颯。
だめだ…やっぱり、気になる。
「ゴメン!体育館行って来る」
「え?翼?」
「ちょっとだけだから」
急いで靴を履き替え、体育館へ走った。
中ではすでにバスケの試合が行われている。
「…あ」
もう、目はアイツに釘付け。