ピンクの落書き
でも、気を取り直して。
次はうちらの試合が始まるから。
絶対勝ちたいもん。
颯みたいな綺麗なバスケはできないけど。
ミスが無く、ボールが手にくっついて、シュートはゴールに吸い込まれ…
無駄のない颯のバスケットボール。
「おしっ!次だ。行くか」
琉那がうちの背中を叩きコートに足を踏み入れた。
それに続いて、萌香、それとメンバーの2人が入っていく。
その背中を追いコートの中に整列をした。
「おねがいしまーすっ!」
久しぶりにするバスケ。
単純にテンションが上がり、胸が高鳴る。
相手はD組。
バスケ部がひとり。
2年にして副部長のアカネだ。
でも、うちと琉那が揃えば負け無しに決まってんだろっ!
久しぶりのこの感触。
ボールに吸い付くこの感じ。
このボールの弾む音。
「萌香、パスッ!」
そう言えば萌香は迷わずボールをくれる。
まあまあ運動神経の良い萌香の投げたボールはゆっくりだが、取りやすい。
そのままドリブルで運びゴールに投げ入れる。
ガコガコとリングに当たりながら…
でもボールは吸い込まれた。
みんなとハイタッチをし、普通に嬉しい感情が溢れる。