ピンクの落書き
汗をかいたのも久しぶりだ。
22対13。
今のところ、ほら勝ってる。
アカネの顔が明らかにイラついているのが見えた。
あいつは、すぐ顔に出るヤツだ。
うちはこいつが嫌い。
性格も嫌いだけど、こいつのバスケが特に嫌い。
だって、イライラしているのがプレーに出るから。
「琉那!」
アイコンタクトし、走ったままの琉那にボールを投げる。
しかし、アカネがどこからともなく走って来た。
そして、手を出してパスカットを成功させたアカネ。
急いで走る向きを戻す。
しかし。
アカネが放ったシュートはリングに嫌われ、クルクル回転したあとに外に落ちた。
ほら。
こういうのがプレーに出るんだよ。
「リバウンドッ!」
そう叫んだ時には遅かった。
ちびの珠里は、精一杯手を伸ばすがボールには届かなかった。
横取りしてきたアカネ。
そのシュートを阻止するためにうちは駆けた。
手を広げアカネの前に立ちはだかる。
しかし…