ピンクの落書き
そんな心臓に一瞬でさせる颯は鬼だ。
バカやろうだ。
悪魔だ。
忘れてて薬指を動かしてしまい、激痛が走った。
「……。」
この薬指を見つめる。
悪魔が治療してくれた薬指。
テーピングで巻く予定だったんだろう。
すでに湿布はべろべろ剥がれてきている。
粘着力が弱まってしまっているが、自分で張り直した。
うちは左手で補助バックを持ち上げ、教室を出ようとした。
その時、なんとなく目に入った給食の献立表。
教室の入り口の隣の壁に貼り付けてあった。
最近、4時間目まで学校にいることが多くなったうち。
だから給食を食べる。
お気に入りはベタにカレーだ。
意外と給食にハマっている。
見ると、今日の献立は、ごはんと麻婆豆腐と野菜。
「あ」
思わず声を出してしまっていた。
すげー。
献立を作った給食のおばちゃん、マジ神!
偶然ってものがすげーって感じた。
今日のデザートは、冷凍みかん。
この薬指には、いくら何でも感謝しないとさすがの悪魔でも泣いちゃうでしょ?