ピンクの落書き
夏
いつの間にか夏真っ盛りってやつ。
長袖じゃなく、もう半袖で。
セミの声がムカツクほどうるさく鳴り響いている。
ケータイには、メールなんかする予定もない颯のアドレスが残ったまま。
受信ボックスには、琉那とまきちゃんの『学校に来てね』の言葉のメールがたまっている。
そのメールたちに背中を押され、しまい込まれていた半袖のシャツに腕を通した。
久しぶりに身にまとう制服。
時刻はすでに10時半。
いつもと変わらぬ遅い登校となった。