ピンクの落書き
帰り、靴を履き、外に出た瞬間足が止まった琉那。
「翼!見てっ!翔太がサッカーやってるぅ~!!」
部活をやっている最中の翔太を見つけたみたい。
校庭の真ん中で、華麗な足裁きでボールを運んでいる姿が見える。
そっか。
今頃、みんなは部活の真っ最中か。
一応うちはバスケ部所属。
あと琉那も。
でも、何ヶ月…いや1年近くバスケットボールを触っていない。
部活なんてやってられない。
今日もサボって琉那と帰る。
「キャーーーーーー!!!翼っ、翔太がシュート決めたよ!」
「はいはい…よかったねぇ~」
隣で跳ねながら喜んでいる。
「翔太、マジかっこいい~!」
「ねぇ。思ったんだけど、翔太のどこが好きなの?」
突然聞いてみた質問。
確かに、1回も聞いたことが無かったなぁ。
「はぁ?そんなの、言い切れないしぃ~!優しさでしょ?おもしろさでしょ?顔でしょ?運動できるでしょ?あと…」
「もーわかりましたぁ~」
キリがなくなりそうで、うちから琉那の言葉を遮った。