ピンクの落書き
恋叶
教室に着いたが、中は空っぽだった。
「翼じゃーーーーん!!会いたかったぁーーーー!!」
突然ものすごい爆音の声がし、振り向くが間に合わず後ろから琉那に抱きつかれた。
「おう琉那」
「もう!琉那ひとりだったんだよ!来るの遅い!!」
「ごめーん」
まぁ、うちがいなくったって翔太とイチャこらしてたんだろうな。
その琉那の後ろからクラスメイト達がぞろぞろと教室へ入っていく。
体操着姿のみんなだからすぐわかる。
「体育だったんでしょ?」
「そう。バスケやってきた。やっぱこのクラス、バスケ最強だね」
結局、球技大会はこのB組がバスケ優勝を勝ち取ったという。
琉那は有言実行だしね。
勝つと言ったら、勝つ。
「あ、まきちゃんに会ってくる。だから…琉那。離れて?」
うちの背中にべったりとくっついて離れない琉那。
「ヤダ!翼、愛してるー!」
「そりゃどうも。歩くぞぉ?」
離れない琉那を無視し、うちは職員室へ行くため歩いた。
「…重い」
さすがに背中に琉那を抱きつけたまま歩くのは、重い。
「わかったよ。離れてあげますー。しょうがなくー」
とぶつぶつ言いながら、琉那は離してくれた。