ピンクの落書き
職員室に到着し、職員室の中にひょっこり顔を入れてまきちゃんを探す。
それに気付いたまきちゃんが
「翼ちゃーん!あらあら」
と言いながら近寄って来てくれた。
パァっと笑顔になったまきちゃん。
そのまま廊下に出て来てくれ、久しぶりの再会で抱きついた。
「メールありがと」
「来てくれてよかったわ。家もいいけど、学校も楽しいところなんだからね?」
おばあちゃんみたいな、この柔らかい温かい笑顔。
安心するんだ。
「そーだ、まきちゃん。翼の忘れ物が音楽室にあったんだよね?」
琉那が聞いた。
「カギ渡すから行ってらっしゃいよ」
そう言い、音楽室のカギを差し出すまきちゃん。
「忘れ物?なに?」
「自分で確かめてきなよ」
怪しい琉那の笑顔。
手を振り、お見送りをしている。
「なに?なんなの?」
「いーから!翼の忘れ物だからー!早く行け」
なぜか琉那はうちを追い出そうとする。
何か…隠してんのか?
でも、聞いても答えてくれないとわかり、しょうがなく音楽室に行くことにする。