ピンクの落書き




…琉那と翔太が付き合い始めたのは、1年の夏。



琉那のただの一目惚れ。




翔太は、勉強も学年5位以内だったり。


サッカー部の副部長もやってたり。


生徒会やってたり…


普通に女子にはモテたり…




まぁ世間的に言う優等生の出来過ぎくん。



うちらとは正反対。



一応…琉那もチャラチャラしちゃっている女の子だからね…。



そんな琉那がそんな翔太と付き合えたのは奇跡だと思った。


しかも、あと少しで付き合って1年だしね。




でも…。

うちは男を信用できない。




「翼、ケータイ鳴ってるよ?」



「あっほんとだ」



急に琉那にそう言われ、ポケットからケータイを取り出した。


全然気付かなかったし。




ディスプレイには【こうすけ】の文字。




「もしもし〜?」



「今日、迎えに来たよ。校門で待ってるね」



「はーい」




それだけ伝え、通話を切った。



「こうすけだった。校門で待ってるってさ」



琉那に言いながらケータイをしまう。



「いいじゃーんっ!早くいきなよ。うちは、まだ翔太を見てる〜」



琉那に背中をバシバシ叩かれた。


そして、翔太を見るため近くにある朝礼台に腰を下ろす琉那。



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