ピンクの落書き
「だって。だってだって、ひっ。ひっ…も~ひっく」
嗚咽が止まらなくて、言葉にならない。
涙も止まらない。
「だって、片想い頑張るって決めたばっかなのに。だって、颯には瑞希さんがいるのに。だって、初恋なのに。だって、まだ全然片想い頑張ってないのに」
ぺらぺらと口は勝手に話すのに、何を伝えたいのか自分でもわからない。
泣いているのもわからないし。
「颯なんて、瑞希さんいるのに優しくしてわけわかんない。バスケうまいとかウザい。うちをめっちゃ苦しめて、まじ嫌い」
「俺のこと…嫌い?」
子犬のように寂しそうな顔をしているのに、口元はいたずらっぽくにやりとしている颯。
「そんなの全部嘘だよ!うあぁーーーん!」
泣きながら叫びながら、隣に座っている颯に抱きついた。
「ずっと…ずっとずうっと颯が…ひっく。…好きだったぁ」
颯の優しい右手がうちの頭を撫でてくれる。
「好き好き好き…ばかぁ!」
こんな簡単に片想い卒業でいいの?
「本当に…うちのこと好き?」
「好きだよ」
「うあぁあああーん!!うちも大好きなんだからぁ…!」