ピンクの落書き
「だから、泣くな?」
笑顔を見せてくれる颯。
その笑顔に応えるように頷いた。
「生きててよかったぁ…」
また、颯に抱きついた。
「何言ってるんだよ。アホか」
「どーせアホですよ」
とかわいくなく返したけど、本当は安心して笑みをこぼしていた。
生きてて良かった。
本当は、死んじゃいたいって思うくらいの人生を送ってたんだよ。
身体しか必要とされてない。
家に帰っても親は遅くまで仕事で、真っ暗の家に独り。
ひとつの支えは、友達だけだった。
でも…寂しくて寂しくて。
孤独。
非行ばっかりで、お先真っ暗の未来。
夢なんて意味を知らない。
どうして、生きているんだろう?
って思ってた。
でも。
生きてて良かったと初めて思えた。
「ねぇ、ハズいこと言っても笑わない?」