ピンクの落書き
颯の彼女になるために、今まで生きてきたんだろうな。
素直にそう思う。
颯がうちの人生のすべて。
生きる意味。
もう、意味のない人生なんかじゃなくなった。
「おふたりさーん!邪魔して悪いね!」
びっくして声のするほうを見ると、琉那が音楽室に入ってきたところだった。
「びっくりしたぁ…」
颯も琉那を見ながら呟いた。
「いやー、このままにしておきたいところなんだけど。次は音楽なんだよね」
言いながら琉那はニヤニヤして近づいてくる。
こいつは、すべてわかっているな。
うちと颯がこうになったことを。
「どう?琉那ちゃんの作戦!ラブずっきゅんした?」
両手でハートを作りながら言った。
「琉那ちゃんの作戦…?」
「うん。翼ちゃん、忘れ物は見つかったかな?」
ますますニヤついている琉那…
「忘れ物なんて見つからないんだけど。…もしかして嘘っ!?」
「えへへ~。でも、颯と会えたじゃ~ん!」
琉那に騙されてよかったってことか。