ピンクの落書き
嘘に感謝ってことだな。
琉那のおかげで、颯とこうになれたしね。
「俺も琉那のおかげだな」
不意にそう颯が告げた。
「え?」
「音楽室に行ってみろ、って琉那に言われたんよ。な?」
と、颯は琉那に微笑みかけた。
「うん。琉那ちゃんのおかげ~」
ピースサインをして笑顔の琉那。
「琉那っ、ありがとう!」
「俺も。琉那、さんきゅーな」
ふたりで琉那に感謝感謝。
この恋は琉那のおかげだ。
「どういたしー。翼と颯がくっ付いてくれて嬉しいんだけど!」
友達の幸せを喜んでくれる友達。
そんな存在がいてくれる。
また…涙がうるうる…。
この恋でいろんな幸せを知ったよ。
「颯!翼は琉那のものなんだからね?翼を泣かしたら許さないんだから!ふざけんなよ?」
「泣かさねーよ」
颯と琉那が笑いながら言い合っているのを差し置いて
「琉那ぁぁぁ~!うぁ~あ~」
うちは泣きながら琉那に抱きついた。