ピンクの落書き
「ほら、いきなよ!また明日〜」
別れの言葉を言っているが、すでに目は翔太に向けられている。
「ん。じゃねー」
手を小さく振って歩き出すうち。
こうすけは彼氏。
高校2年生。
付き合ってから…えっと2週間くらいかな…?
いきなり学校の前で『一目惚れしました。付き合って下さい』
って。
「あ、翼ー!」
「お〜い」
手を振っているから振り返す。
こうすけの前まで来て、一応彼女らしく笑顔を見せる。
「今日、このあと空いてる?」
「空いてる」
「今日な、親いねーんだよ!家来るだろ?」
「行く行く」
手を繋いでこうすけと歩き出した。
どーせ、この後こうすけの家に行ってHするんだろう。
ほら。
この程度でいいんだ。
恋愛なんて。
辛い恋愛なんてめんどくさい。
深入りすると別れが辛くなるだけ。