ピンクの落書き
「中読んだ?」
「よ、読んでないよっ」
「じゃあ、俺の質問。答えろよ?いくぞ?」
翼の隣の席に座る。
なんかおもしろくなっってきた。
「じゃあ、1から9まだ数字を書いて」
確か…合ってるはず。
翼がいない音楽の授業中にたまたま見つけた本にあった心理テスト。
「鉛筆ないから書けないよ?」
「じゃあ…書かなくてもいーから質問には答えろ。次、3番に異性の名前を書く」
何かを思うように上を向いた翼。
何を思っているんだろう。
翼のことは、すべて気になる。
「翼なら…なんて書く?」
「な、内緒…」
かわいい。
恥ずかしくなってるわけ?
「この心理テスト、ここの机の中に入ってた本にあってさ。俺もやった」
「は、颯は…」
声が震えている翼。
「なんて…か、書いたの?3番」
ゆっくりと首を動かし、俺を見る。
ビクッとなった翼。
俺が見ていたから?