ピンクの落書き
そんな大泣きしなくってもいいじゃねーか。
「颯…ねぇ。ひとつ聞きたいんだけど…」
呟きながら体を離す翼。
「うちは、颯の彼女になれるの?瑞希さんはどうなったの?」
「瑞希とは別れた」
俺は、翼を選んだんだ。
「だから安心しろ。俺は、お前のもの」
いや…
この言葉は自分で言ったくせにハズすぎた…
「颯なら、信じられる」
翼はそう言ってくれた。
そして、また涙が静かに溢れ出す。
「いきなりどーしたんだよ?」
涙を拭った。
「前の男は信じられなかったから…」
「別れてるんだろ?じゃあ、なんで?」
「いきなり音信不通になって。この間、街で違う女と手を繋いで歩いてたの見たし…やっぱ身体だけだったんだなって…」
なんとかこうすけ…だっけか?
琉那から、よく話を聞いた奴か。
「俺は、ずっとここにいる」
俺は、そんなことはしない。
中学2年のこんな俺が恰好つけて言っているけど。
約束する。