ピンクの落書き
よし!
翼様は行動派だもんね。
立ち上がり、颯の家に向かうことにした。
1回だけ颯の家には行ったことがある。
放課後の帰り、いつも送ってくれる颯。
だから、たまにはうちに送らせろって言って颯の家に行った。
「今日は、うちが彼氏役!」とか言って。
今の周りの空は夕陽が包み込み、寂しさを誘う。
セミは鳴き続ける。
早く会いたい。
颯の家に近づいていくにつれて、脚が弾む。
下駄を履いているけどスキップをしたくなっちゃう。
この角を曲がって直線したら颯の家が見える。
…あ……誰かいる。
遠くに見える颯の家の前に誰かいる。
遠くて誰かはわからないけど、女…?