ピンクの落書き
「誰もいないの?」
「親父は仕事だと思う。あ、こっちな」
案内されて階段を上がり、颯の部屋へ通された。
「お~!初めてだ!颯の部屋」
「汚くてごめんな」
「全然っ!」
やっぱバスケ好きなんだな。
ボールとバッシュが転がっている。
他は、ベッドと机とか。
黒で統一された颯の部屋。
うちと颯は、ふたりで並んでベッドに寄り掛かった。
「ねぇ。瑞希さんが知っててうちが知らないのは嫌だ。辛いとは思うけど…お母さんのこと。教えてくれない?話せたらでいいから」
今度は、瑞希さんじゃなくて。
うちが颯を支えてあげたいの。
颯のことは、うちが1番に知っていたいの。
「わかった。翼になら話すよ」
と、颯は目を合わせ言ってくれた。
そして話し始めた。