ピンクの落書き
…ドォンッ!!
唇を離して、窓に目をやると暗い空には鮮やかな花火が広がっていた。
「始まったんだね」
花火を見たらテンション上がって叫ぶけど、今はいたって冷静。
落ち着いて眺めていた。
「ちょうどここの部屋からきれいに見えるな」
颯がつぶやく。
窓いっぱいに輝く花火。
すごくきれいだ…。
色とりどりな花火が今年は、なんだか違って見えるよ。
「うん、よく見えるね。きれいだね」
颯を見上げると、不意に抱きしめてきた。
「いきなりどうしたのっ?」
「いや~…なんか、今花火を翼と一緒に見れてて嬉しいなって思って。ずっと一緒にいてね」
颯…かわいすぎるんだけど!
かっこいいし、可愛いし…こいつガチでうちを殺すきか!?
きゅん死しちゃう。
「ずっと一緒にいようね」
うちは、いなくならないよ。
颯のお母さんみたいに、颯の前からいなくなったりしない。
もう死ぬなんて考えられないから。
「好き…」
「俺も…好きだ」