ピンクの落書き
花火の光だけが照らしてくれる部屋で、ちょっとえっちなキスをした。
はだけている浴衣。
誰もいない颯の家。
このシチュエーションやばいよね。
「あ、ごめん」
颯の手がうちのおしりに少しだけ触れた。
「もうだめだ。俺から離れろ」
颯はそう言うと、体を離しうちから1メートルくらい離れた。
「なんで?なんでよ!?」
うちはずんずん近づく。
「だから、襲っちゃいそうになるから…離れろ!馬鹿か!」
顔を真っ赤にしちゃって。
颯。
ものすごく大好きだ。
笑いながら颯に抱きついた。
「うわっ、なんだよ。俺の言ってることの意味わかってんのか?」
「いいじゃん。なんか嬉しくって」
「嬉しい?襲われちゃいそうでか?」
「ううん。あ、花火!」
会話を裂くように花火が鳴り響いた。
それきり、ただただ花火をふたりで見つめていた。
颯が離れようとしないように…手を繋いで…。
いつもなら、簡単にHなんかしてたうち。
でも、我慢してまで颯はしなかった。
それが…なんだか嬉しくて。
大切にされている感じがして…
颯は今までの男とは、全然違う気持ちがある。
本当に好きという気持ちがある。
本当に本当に大好きなんだよ。