晴れ時々@先生の妹【第1巻】



警察官が話を続ける。





「所持金は?」






下を俯いたまま答える二戸 梨杏。





「316円――。」






「それだけじゃ、明日の夜まで歌えないな?」





カクンと頷く二戸 梨杏。




「手錠は一個しかない、しかし、わっかは2つある。手錠の1つのわっかは店員さん。もう1つは女子高生の手首にかけるとするか。まぁ、一個しかないから仲良く使ってよ!アッ、ハハハッ―」





ご機嫌な様子の警察官の松本。






二戸 梨杏の細い手首に手錠がかかった。





手錠をかけられたまま身動きが取れない店員と二戸 梨杏、気まずい雰囲気の二人は三角座りをしている。





落ち着かないのか僅かな髪の毛を空いている方の片手で何度も撫でて整える店員、同じく落ち着かない二戸 梨杏は俯いたまま手の指先の爪をガリガリとかじっている。


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