晴れ時々@先生の妹【第1巻】
中村先生が二戸 梨杏の顔面に止まっていたエンマコオロギを捕まえて近くにあった虫ケースにそっと入れる。
「おいっ、二戸!起きろ!俺の家に来て、早々玄関でぶっ倒れるなよー?」
中村先生が二戸 梨杏の体を揺すって起こそうとするがうんともすんとも目を冷ます気配がない。
失神している二戸 梨杏の頭の中では――、想像の中の小春やコオロギ、そして犬と猫の鳴き声で新たなストーリーが作られようとしていた。
酷くうなされている二戸 梨杏。
真面目に心配し始めた中村先生。
二戸 梨杏の頬を軽く二回程叩く。
「二戸 梨杏、大丈夫か?返事しろよ!」
突然、インターホンが鳴る。
ピンポーン♪
――誰なんだ、こんな時間に?