晴れ時々@先生の妹【第1巻】
二戸 梨杏の冷却シート剤を貼っている辺りの額に鼻先を近づける中村先生。
クンクンクン、「うん、湿布臭くないぞ!」と、思った瞬間。
二戸 梨杏が「うーん」と声を出してごろんと寝返りを打つ。
中村先生の唇の先が二戸 梨杏の額に触れた。
目を瞑ったままの二戸 梨杏。
焦って胸がドキドキしている中村先生。
――キス?
いや、事故だ……――。
俺達は、何もなかった――。
すぐに忘れよう!
冷却シート剤の入っていた空箱をゴミ箱にポンッと捨てて、そそくさと寝室を立ち去る中村先生。
――リビング――
今日は何曜日だっけー?
リビングの壁に飾っているカレンダーを見る。
――金曜日。
「良かった、今日が金曜日で」
冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出して一口飲む。