晴れ時々@先生の妹【第1巻】
二戸 梨杏が目をギュッーと瞑る。
――ゼッタイニ……あげるつもりないよ!
って、言うか…昨日の夜に聞こえていたワンワンとニャーニャーは私の空耳じゃなかったんだ。
なーんだ、カエルだったんだ、紛らわしいんだから…。
「用心の為の番犬・番猫ならぬ番蛙のつもり!まぁ、可愛がってやってよ―!」
苦笑いが精一杯!
「アハハハッーーッハ!」
二戸 梨杏の苦笑いを勘違いしている中村先生。
「そんなに喜んでくれると思っていなかったから、ポチとタマも嬉しいってさ!」
――先生、そんなわけないよ!
「今度は、こっちへ来て!」
すると、二戸 梨杏の手首をまたつかみ引っ張る中村先生。
――先生、草原の中を走る少年みたいになってない?