晴れ時々@先生の妹【第1巻】
ポロンッと持っていた箸を手から落とす中村先生。
二戸に“お兄さん”と呼ばれた事は、ぜんぜん問題なんかじゃない――。
ご飯粒を取ろうとしてくれた事が問題だ………。
二戸の指先が微かに俺の唇に触れたよな―――。
昨日の夜、偶然の出来事で俺の唇が二戸 梨杏の額に触れた事を思い出す。
――偶然の出来事のキス。
自分の唇にそっと指先を当てて、少し頬が赤らむ中村先生。
――昨日の事を思い出して、俺がドキドキしてどうするんだよ――。
いいか、平常心を保て、冷静になるんだ!
しばらく、二戸と目を合わせないようにしよう――。
そうだ、それが一番良い!