晴れ時々@先生の妹【第1巻】
大声を出して叫びたいところだが、必死に我慢をしている二戸 梨杏。
ジョウログモが恐くて小刻みに体を震わせて怯えている二戸 梨杏。
中村先生に目で合図を送る。
ハ・ヤ・ク・タ・ス・ケ・テ!
中村先生が声をひそめる。
「いいかー、そのまま絶対に動くなよ!」
無言のまま深く一回頷く二戸 梨杏。
心臓の鼓動がバクンッ・バクンッと大きく打つ音が全身に響く。
――先生、お願い…。
早く助けて!クモが私の顔をじっと見てる。
中村先生が近くにある観葉植物の長い木の枝をバキッと簡単にへし折り、二戸 梨杏の肩にいるジョウログモに少しずつその木の枝の先を近づける。