晴れ時々@先生の妹【第1巻】
――ほらっ、ジョウログモ、早くこの木の枝に飛び乗れ!
「お前の好きな木の枝だぞ!」
中村先生の気持ちがジョウログモに通じたのか、ジョウログモがクルッと体の向きを変えて中村先生が持っていた木の枝の先に飛び乗った。
安心をしてフッーと息を吐き、胸を撫で下ろす二戸 梨杏。
しかし、油断をしている場合ではなかった。
――ちょっと、待てよ……。
ニヤリと笑い、中村先生は何か思いついた模様。
――よーし、二戸の少し困っている顔が見たいな………。
俺は二戸の家へ行って滞納をしている電気代・ガス代・水道代・家賃を代わりに払ってきたんだ……。
1つぐらい簡単な用事を頼んでも神様には怒られないだろう。
まぁ、二戸に絶対にイヤだ!と断られそうな気がするが――。