晴れ時々@先生の妹【第1巻】
普段着の楽そうな服装に着替え、両手で顔を隠し、ぜんまい仕掛けの人形のように歩いてキッチンのテーブルに向かう二戸 梨杏。
――すっぴんの顔なんて、絶対に恥ずかしい……―。
不思議そうな顔で二戸 梨杏の事を見ている中村先生。
――あれで、ちゃんと前が見えてるのかよ!?
「両手をおろして、早く椅子に座れよーー」
顔を隠している両手の間からヒヨコの口のような二戸 梨杏の唇が動く。
「だって、すっぴんだもん!」
中村先生が笑った。
「お前の顔が“のっぺらぼう”だったとしても俺は絶対に驚かないよ!」
――“すっぴん”って、そんなに気にする事なのか!?
俺は、男だからわからない!
なぁー、早く、晩飯を食べようぜーーー。
お腹がすき過ぎで少々イライラ気味の中村先生。