晴れ時々@先生の妹【第1巻】
「――虫が嫌いなのに。あの家の中で、どうやって生活をしていたんだ?」
「言い訳に聞こえるかもしれないけれど――。毎日が本当に忙しくて、適当に掃除をしていたら、少しずつ虫が増えてきて……。
ここ3ヶ月程近く、虫が恐くて主に“押し入れの中”で食事を取り、寝ていました――」
「そうだったのか」
――二戸、お前は俺の家に来て少しでも安心と幸せを感じているんだろうか。
もし、そうなら――。
俺は嬉しいけど。
「この家は、お前の家だと思えばいい」
「私のマイホーム」
――ねぇ、中村先生。
まだ、考えたくないけれど、私は、いつかこの家を離れなきゃいけない日がくるんだよね。
その日まで、私はこの家を大切にするから――。
私の大切なマイホーム。
ありがとう――。