晴れ時々@先生の妹【第1巻】
受付にいた40代前半の眼鏡をかけた腰の低い男の店員が利用時間をたずねる。
「ご利用時間は―?」
「明日の夜まで!」
店員は目玉が飛び出そうなぐらい「えっー!!」と驚き、腕時計を見る。
「ほ、…本当に明日の夜まで利用されるんですか?」
「私、歌をうたいたいから、ここへ来たの!ダメなら、帰る」
店員が目を細めて二戸 梨杏の着ている制服を上から下へと何度も見る。
店員はどこの学校の制服なのかを頭の中で検索をしていた。
しかし、舐め回すような目付きで見てくる店員に、黙っていた二戸 梨杏が口を開いた。
「ヘ・ン・タ・イ」
二戸 梨杏が受付のテーブルに鞄をバンッと叩きつけて、きつい目付きで店員を睨む。
店員は少し慌てた様子で「そ、そんな…私は変態ではありません!」と身をのり出して二戸 梨杏に潔白を訴えた。