unforgettable days
衝突の波紋


”大地、最近どうしてんの?”


”つきあい悪いぞ~”



時々、入る仲間のメールが、気になりだした


頃、ようやく塾の講習会が終わった。




暑い蝉しぐれの中、修了テストを受ける事


になった。




毎日、”おち”の家で、宿題を教えてもら


っていた俺は、意外にも余裕で、全部解け


ていた。





”おち”は、どうだったんだろう?”



エレベーターから降りてくる所を待っていたが、


なかなか降りてこない。




帰宅する人ごみが、消えて、最後の一人とし


て、出てきたのは、テスト終了から、30分以


上たってからだった。





”おち”の顔色は、蒼白だった。



何かに、おびえる様に、唇をかみしめて、



手は、震えていた。






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