16の夏~ボールを追いかけて
俊平もひそかに想いを寄せていたことは渚本人も

分っていたはずなのにどうしてだろう。


一気に冷めてしまった俊平の心。

それを癒したのがクラスメイトのマドンナ的存在である莉奈だった。

莉奈は清純でおしとやか。クラスの男子から人気があった。

莉奈とメールをはじめ、ひと夏が終わる頃、ふたりは結ばれていた。

俊平のこころは渚。しかし彼女の態度に納得がいかない俊平は、

「部活でレギュラーになったら」

という渚と付き合う条件を捨て、莉奈と付き合った。

これが渚に対するすこしでもの反抗でもあった。


ふたりが付き合ったことを知った渚も納得がいかなかった。

「そっか好きな人がいたんだ。」

渚は自分にそう言い聞かせた。

「莉奈ちゃんじゃ仕方ないな。カワイィもんね」

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