16の夏~ボールを追いかけて
ふたりは互いに別の道を歩み始めた。

しかし部員とマネージャーの関係は変わらない。

部活後の渚からのメール。

それはもう来ないし出来ない。

部活後、彼を待つ渚を見る俊平。

部活後、俊平を待つ彼女を見る渚。

そんな変な空気が毎日続いていたある日、

渚が俊平に話しかけた。

「最近どぉ?うまくいってる?」

「うん、まあね。じゃあ彼女来るからまた。」

冷たく接してしまった俊平。どう接していいのかわからなかった。

その晩、渚は俊平にメールをした。

それは、彼とうまく行っていないという相談だった。



その日を境に、相談のメールは毎日続いた。

そのことを俊平の彼女、莉奈は知っていた。

そして不安を感じていた。


ふたりが近付いていることを。


はじめは俊平もただ相談に乗っているだけだった。

ただ、毎日のメールで少しずつ以前の記憶が欠けていく。

そして、彼と別れたほうがいいとのアドバイスをするようになっていった。

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